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2015年7月 4日 (土)

焚書坑儒

始皇帝と言えば、中国を統一(天下一統)した偉大な人物ですが、基本的に悪名高い悪者のイメージが強いと思います。

中国人の大半は漢民族で、そのため漢の時代を尊び、その祖である漢の高祖(劉邦)を良きものにするため、高祖が滅ぼした(正確には項羽か)秦を悪者扱いしているイメージもあるのではないかと思う。

悪名高いものの例としては大きくは以下の2点が挙げられる。

・焚書坑儒

・始皇帝陵や阿房宮建設(農民を徴発したから)

しかし上の2点に関しては一般的に知られている事実は儒者によりかなり誇張されている。

まずは簡単に解説します。

■焚書坑儒

焚書・坑儒は「書を燃やして、儒者を坑する(生埋めにする)」という意味である。

焚書は始皇帝が中央集権制である郡県制をひこうとするも、博士である淳于越はそれに反対して古を尊び、地方は王が治める封建制にすべきだと言った。

孔子さまにしろ儒者どもは古き良き時代を尊び、現実をみず現政府を批判し、人民にもそう教えた結果、人民も法令を守らず、批判するようになる。

このような状態を放置したら、上は君主の勢威が落ち、下では党派が蔓る。

それを防ぐためにも、教えられないように余計な書物(医、薬、農以外)を焼いてしまえというのが焚書、挟書律です。

坑儒は廬生や侯生といった方士(呪術師的な怪しい人物。仙薬探しに行った徐福とかもそう)や儒者が始皇帝が独裁者で刑罰を乱発していると批判して逃亡したことにブチ切れた始皇帝が都である咸陽に残っていた方士と儒者460人を生埋めにして虐殺したことを言う。

これが誤り。

まず仙薬探しに失敗した方士が逃亡したことにより、御史大夫に社会擾乱のかどで諸生の捜査を命じた。

御史大夫は三公(官僚のトップ3)の一つで行政を監査する機関である。

その御史大夫は配下を総動員し、捜査開始。

そうすると諸生どもはお互いに庇い立てせず、むしろ相互告発する始末で、審問を受けたうちの460名が自白し、社会擾乱の罪で「坑」の刑に処せられた。

で、まず処刑されたのは諸生であって儒者だけではない(一部には居たぐらい)。

「坑」は字義が「穴埋め」ということではなく、もともとは「門+良(ろうと読み、むなしいという意味)」や「虚(うつろ)」である。

虚は落とし穴のことで、落とし穴は敵や動物を生け捕るためのものである。

ということで、「坑」という文字を動詞として使うと、「閉じ込める」という意味になる。

ちなみにこれが紀元前212年のことで、これの7年後に項羽が章邯を降した際に、一緒に降った20万人の秦軍に対して謀叛されては困るので、その秦軍を夜に急襲して「坑」した。

という記述があり、横山光輝「項羽と劉邦」では谷底に落っことしてますが、20万人の人間に対してそれを実行するには被害が出すぎる(武器持ってなくても必死で反抗されたらかなりのダメージを受けるだろう)ので、実際にはとりあえずどっかに閉じ込めたという風にとった方が自然だろう。

なので、460名の犯罪者をどこかに閉じ込めたという普通の意味になる。

これを後代の儒者たちは生埋めにしたと解釈して、批判している。

上記のことは安能務「始皇帝」の中に記載があり、なるほどだなあと思いました。

この著者は読んでいる限り、かなり儒者が嫌いのようです(私も嫌いですが)。

■始皇帝陵や阿房宮の建設

始皇帝陵は始皇帝の墓、阿房宮は宮殿です。

一般的に知られているのは農民を徴発して、無理やり使役したこと。

これも誤り。

始皇帝は各地を巡遊して、天下一統されたことを伝えるため各地に石碑を立てている。

その中に黎庶無繇」という言葉があり、これは人民(黎庶)を徭役なしということで、地勢が固まったから人民に徭役を課しませんよと言っている。

石碑に刻んだ言葉をわざわざ無視することはありえないので、実際には実行していないと思われる。

ただ阿房宮なり始皇帝陵なりを作るには何十万、何百万という人が使われている。

では誰が強制労働させられたかというと、かつて兵役や納税を怠って逃亡した罪人や義父の家に寄食する怠け者(ニートか)や正業(農耕)に就かず物を売り歩いて利を得る不用の人(商人)や獄吏などで不正を働いた人達のようだ。

ということで罪人を無駄飯食いにしないことも考慮して効率化を図ったようだ。

ところでなぜ儒者はこの事実を無視し、批判しているか。

秦という法治国家では、政府内で不正を働くのをチェックする監査官がいる。

こんなものがいると賄賂を受け取り、私腹を肥やすことができない。

せっかく苦労して官僚になったのに甘い汁を吸えないような意味が無い。

そうなっては困るから始皇帝のような法治国家を目指さないように始皇帝を悪しざまに言っている。

なので、今でも中国は賄賂、賄賂、賄賂の国なのだと思われる。

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